ファンマーケティングとは?メリット・デメリットや成功事例も紹介!

マーケティングにも様々な種類がありますが、その中でも”ファンマーケティング”という手法が近年注目を集めています。

現代は、スマートフォンやタブレットが普及し様々な情報を見ることができるようになったことから、消費者一人ひとりの価値観が多様化しています。

このことにより、新規顧客の獲得が困難になり既存顧客の維持に努めることが有効的とされています。

しかし「そもそもファンマーケティングって何?どういう意味なの?」「ファンマーケティングを行うメリットってあるの?」「難しいんじゃないの?」など数多くの不安があると思います。

そこで当記事では、「ファンマーケティングとは何か」「ファンマーケティングのメリット・デメリット」「ファンマーケティングに成功した企業の事例」を紹介・解説します。

ファンマーケティングとは?

ファンマーケティングとは?の画像

ファンマーケティングとは、自社ブランド・サービスのファンに積極的にコミュニケーションを取ることで「中長期的な売り上げの拡大」「ブランドの確立」「カルチャーの共創」を図ることを目的としたマーケティング、またはその概念を指します。

特定の企業が販売するブランド・商品・サービスへの愛着が強い熱狂的なファンは、『ブランドスイッチ』が起きにくいという特性を持っています。

・ブランドスイッチとは・・・ある製品を使っていた顧客が、何かのきっかけで同一カテゴリの競合他社のブランドに切り替えてしまうことを指します。

また、企業や企業の商品・サービスの熱狂的なファンは、SNSを使用し積極的に周囲に広めてくれるので新規顧客を連れてくるという特徴を持っているので、企業としての売上増加と新規顧客獲得を同時に行うことができます。

工藤
近年、スマートフォンの普及・SNSの発展・サブスクリプションサービスの発達などの影響から、顧客一人ひとりの価値観の変化が進み新規顧客獲得が難しくなりました。そこでファンマーケティングを行い既存顧客の維持を行うことでコストを掛けずに新規顧客獲得を目指す企業が増えています。

ファンマーケティングが重要視されるようになった背景

ファンマーケティングが近年で注目を集めるようになったのは、時代背景が関係しています。

これまでのマーケティングは、大量生産・大量販売・大量のプロモーションを前提として、全ての消費者に向けた製品・サービスを開発するという『マスマーケティング』という手法を用いていました。

大勢にそして多くの場所に情報を発信するマスマーケティングを実施することで、消費者は与えられた情報を信用し購買行動を起こしていました。

しかしスマートフォンが普及し、SNS媒体の利用者が増えたことで様々な情報を検索できるようになり、顧客一人ひとりの価値観が多様化したことからマスマーケティングという手法では商品やサービスが思うように売れなくなりました。

消費者は企業が発信する情報を独自で真偽を確かめるようになったことから、新規顧客獲得が困難になり既存顧客の維持に努める方が高い効果を生み出せると考えられています。

既存顧客の維持に努めることで、自社の熱狂的なファンを増やしファンが発信するリアルな情報を元に集まる新規顧客を獲得するという狙いがあります。

そのためにファンマーケティングを実施し、より多くのファンを獲得することが会社を存続させるうえで重要視されるようになりました。

ファンを増やすメリットファンマーケティングを実施し、多くのファンを獲得することで、ファンが積極的に情報を発信するのでその情報を見た消費者が新規顧客として自社商品やサービスを利用しファンになります。ファンマーケティングを実施すれば、『ファンがファンを連れてくる』連鎖が生まれるというメリットがあります。

ファンマーケティングを行うメリットとは?

前述では、「ファンマーケティングはどういう意味なのか」「ファンマーケティングが重要視されるようになった背景」をご紹介してきました。

顧客一人ひとりの価値観の多様化が進む現代では、既存顧客の維持に努め『ファン』を増やすことが長期的に安定した利益を得るために必要であると考えられています。

また、多くの熱狂的なファンを獲得することで新規顧客を連れてくる可能性が高まるので、コストを掛けずに新規顧客の獲得が見込めます。

ファンマーケティングにはこのようなメリットがありますが、その他にも以下のようなメリットがあります。

▼ファンマーケティングを行うメリット▼
  • 全体売上の80%をたたき出す上位20%の顧客に向けたマーケティングができる
  • 顧客が『マーケター』として積極的に行動する
  • 顧客からの良質なフィードバックを受けることができる

メリット①全体売上の80%をたたき出す上位20%の顧客に向けたマーケティングができる

メリット①全体売上の80%をたたき出す上位20%の顧客に向けたマーケティングができるの画像

ファンマーケティングを行う1つ目のメリットが、全体売上の80%をたたき出す上位20%の顧客に向けたマーケティングができることです。

マーケティング用語の中に『パレートの法則(80:20法則)』という言葉があるように、顧客の内上位20%が、全体売上の80%をたたき出しています。

・パレートの法則(80:20法則)とは・・・顧客全体の内20%の優良顧客が全体売上の80%をあげていることを指します。企業が抱える全顧客を平等に扱うのではなく、20%の優良顧客に向けた施策を立て実行することで80%の売り上げを維持し、高い費用対効果を生み出すことができます。

ファンマーケティングは、一部の熱狂的なファン層を活用するマーケティングであるため、全顧客の内80%の売り上げをたたき出す20%の優良顧客に対してマーケティングを実施するので高い費用対効果が期待できます。

工藤
上位20%の優良顧客に向けてマーケティングを実施することで、高い費用対効果が期待でき、コストも抑えられるので「新商品の開発」「顧客がニーズに合った商品の改良」などの費用に使うことができます。

メリット②顧客が『マーケター』として積極的に行動する

ファンマーケティングを行う2つ目のメリットが、顧客が対価を必要としない『マーケター』として積極的に情報発信することです。

企業や商品・サービスの熱狂的なファンは、熱量が高い程関連する情報をたくさん収集します。

そして収集した情報を「大勢の人にシェアしたい!」「企業、商品・サービスを好きな理由を知ってほしい」と考えるようになり、SNS等を使って行動してくれます。

SNSは一般人であっても拡散力を持っている人も少なくないため、熱狂的なファンを増やすことで優秀なマーケターが揃い、今まで以上の効果を生み出すことができます。

ファンマーケターの特性一部の熱狂的なファンが、「他人に否定されたくない」と考えるため、『ポジティブな内容を投稿する』『自分の考えに肯定的な情報を発信する』といった特性を持っています。

メリット③顧客からの良質なフィードバックを受けることができる

メリット③顧客からの良質なフィードバックを受けることができるの画像

ファンマーケティングを行う3つ目のメリットが、顧客からの良質なフィードバックを受けることができることです。

商品・サービスを使用した人達が発信する「感想」「今後の要望」は、企業が対価を支払ってでも収集したい情報です。

対価を支払い商品・サービスを使用した感想や要望を集めることができるサイト・アプリが存在しますが、コストがかかる上に情報の正確性がない場合があります。

しかしファンマーケティングなら、企業や企業が販売する商品・サービスをもっと良いものにしてほしいと強く願うファンや、愛着を持つ企業のマーケティングに参加できるなど、多くのメリットがありさらに良質なフィードバックを無料で収集することができるという特徴があります。

工藤
好きな企業、好きな商品・サービスの話をすることはファンにとって喜びの時間です。そのためファンはSNSや口コミサイトなどに好きな商品・サービスのレビューや要望を積極的に記載するので、良質なフィードバックを作り上げることが可能になります。

ファンマーケティングを行うデメリットとは?

前述では、「ファンマーケティングを行うメリット」を紹介しましたが、ファンマーケティングをこれから実施する企業やファンマーケティングを行っている企業の中には「ファンマーケティングのデメリットも知りたい!」という方がいると思います。

ファンマーケティングはファンを増やし最小限のコストでマーケティングを実施するため、メリットが多いと感じる方が大半だと思いますが、実はデメリットも存在します。

そこでここからは、ファンマーケティングを行うデメリットを解説していきます。

▼ファンマーケティングを行うデメリット▼
  • 短期間では効果が出にくい
  • ネガティブな情報が一気に広まる
  • 企業の怠慢を招きやすい

デメリット①短期間では効果が出にくい

デメリット①短期間では効果が出にくいの画像

ファンマーケティングを行う1つ目のデメリットとして、短期間では成果が出にくく長期的な運営を行う必要があることが挙げられます。

ファンマーケティングでは企業、企業の商品・サービスに対して『熱狂的なファン』を作り上げなければいけません。

熱狂的なファンを作り出すためには、魅力的な商品・サービスを消費者に提供することはもちろん、「ファンとの歴史」「ファンとのストーリー」を充実させなければならないので、多くの時間を有します。

ただ闇雲に長期運営を行うのではなく、消費者を惹きつける魅力的な商品・サービスを開発し、企業としてのコンセプトやイメージを浸透させることが重要です。

工藤
熱狂的なファンを作り出すのは簡単なことではありませんが、トライ&エラーを繰り返しブランドのイメージを定着させることが熱狂的なファンを作り出すコツです。

デメリット②ネガティブな情報が一気に広まる

ファンマーケティングを行う2つ目のデメリットとして、ファンの間でネガティブな情報が一気に広まることが挙げられます。

熱狂的なファンは、企業が発信した情報・人気商品の取り扱いに不満が生じると一斉に攻撃してくる可能性があり、時には熱狂的なファンが最大の敵となる可能性があります。

企業のネガティブな情報も、ファン同士のコミュニティが形成されているため一瞬で広がり「クレームが殺到する」「ファンが離脱する」などの悪循環に陥ります。

また、企業や企業の商品・サービスに愛着を持つ熱狂的なファンは、他の消費者よりも想いが強いので過激になりやすい傾向にあります。

このことからもファンマーケティングを行う上で、熱狂的なファンが何を重要視しているのか『核』を見定める必要があります。

デメリット③企業の怠慢を招きやすい

デメリット③企業の怠慢を招きやすいの画像

ファンマーケティングを行う3つ目のデメリットとして、企業の怠慢を招きやすいことが挙げられます。

ファンマーケティングの恐ろしいところは、一定数の熱狂的なファンを獲得し安定した運営が行えるようになると成長を止めてしまうことがあることです。

成長を止めてしまうと、商品・サービスの質が著しく低下し熱狂的なファンをガッカリさせてしまい、『ファン離れ』が起こる可能性があります。

このように企業としての成長を少しでも止めてしまうと、結果的にファンが離れていき売上も低下する可能性があります。

このような事態を避けるため、企業としての成長を止めることなく継続して「ファンとの良好な関係性の構築」に努めることが重要です。

工藤
一定以上の金銭を使用しているファンにのみ特別な権利を与える『ファンクラブ運営』に陥る企業が存在しますが、このような運営方法はファンから誤解を招く可能性があるので、全てのファンに向けたマーケティングをすることが重要であると言えます。

ファンマーケティングの成功事例とは?

ここまで、「ファンマーケティングとは何か」「ファンマーケティングを行うメリット・デメリット」について理解していただけたと思いますが、ファンマーケティングに取り組む方の中には「どのようにしてファンマーケティングを行えばいいか分からない」「ファンマーケティングで成功するにはどうしたらいいか分からない」という方がいると思います。

そこでここからは、企業がファンマーケティングで成功した事例をご紹介していきます。

▼ファンマーケティングの成功事例▼
  • ファンが提案したアイディアを採用し商品化する『スターバックスコーヒー』
  • 他社製品をおすすめすることで信頼性を向上させた『SHARP(シャープ)』
  • 定期的にワークショップを開催しファンを増やす『Apple』

成功事例①ファンが提案したアイディアを採用し商品化する『スターバックスコーヒー』

スターバックスコーヒーは、世界規模で展開するコーヒーチェーン店で2020年には90の国と地域で営業展開し、店舗数は「32,660店」に及びます。

駅やオフィスビル、大学の中にも出店していることから、あらゆる客層をターゲットにしたマーケティングに取り組んでいます。

そんなスターバックスコーヒーは、My Starbucks Idea』というサイトでスターバックスに関するアイディアを誰でも気軽に投稿できるイベントを開催しています。

実際に消費者から寄せられたアイディアが採用され、商品化・サービス提供に活かされたという事例もあります。

また、ファンマーケティングに積極的に力を入れるスターバックスは、ファンが拡散・告知を率先して担うのでテレビCMなどを一切行っていません。

このようにスターバックスコーヒーでは、ファンとの良好な関係性を築くことでファンが『マーケター』になり、良質な情報を世に広めてくれる役割を果たしています。

工藤
『スポーツを活用したマーケティング』『スポーツのマーケティング』に共通している点は、自チームあるいは自社商品やサービスのファンを増やし、エンゲージメントを高めるための活動をしていることです。

成功事例②他社製品をおすすめすることで信頼性を向上させた『SHARP(シャープ)』

SHARP(シャープ)は、日本の大阪府堺市に本社を構える電機メーカーで、Twitterのアカウントは『82万人以上』のフォロワーを持つ人気アカウントです。

SHARP話題になったTwitterの投稿の画像
出典:Twitter

そんなシャープは、「節水できる食洗機を探しています」というリプライに対して「パナソニックさんの食洗機をご検討ください」というように他社メーカーの食器洗浄機をおすすめしました

もちろんシャープにおすすめの製品がある場合はそちらを紹介するのですが、無い場合は他社製品をおすすめすることで消費者の信頼性を向上させています

また、シャープは上記投稿のように「たくさんのシャープ製品が販売になります。必要ないのに買えとは思いませんが必要なら候補に入れてください。」というような謙虚なお願いをツイートしたことで、『シャープ公式アカウントの家電相談が正直すぎて話題に』と注目を集めました。

工藤
自社製品ばかりを推すのではなく、「他社製品の方が優れている」または「自社製品には消費者の抱える悩みを解決できる製品がない」場合は、正直に他社製品をおすすめすることで信頼性を獲得しているんですね!

成功事例③定期的にワークショップを開催しファンを増やす『Apple』

Appleは、iPhone・iPad・Applewatch・Macなど様々なテクノロジーを開発・販売する企業です。

無料ワークショップ「Today at Apple」の画像
出典:Apple

日本各地にAppleストアがありますが、そこでは定期的に『ワークショップ』が開催されています。

ワークショップでは、参加者が「Apple製品の知識やテクニック」「写真、ビデオ、フィットネスの知識やスキル」「家族写真の加工・編集」などを効率的に学ぶことができます。

また、アーティスト・クリエイター・参加者からインスピレーションを得て創造性を発揮できるように工夫されています。

2017年4月にスタートしたワークショップですが、世界中で週18,000以上のセッションが開催され、何百万人もの人が参加しています。

工藤
ワークショップで学びiPhoneを使いこなせることによって、ファンは綺麗に撮影できた写真や動画をSNSに投稿したり、友人にシェアしたくなります。Appleではこのようにファンを介したマーケティングを実施しています。

まとめ

ここまで、「ファンマーケティングとは何か?」「ファンマーケティングを行うメリット・デメリット」「ファンマーケティングに成功した企業の事例」を紹介してきました。

企業または企業の商品・サービスの熱狂的なファンを増やすことで、競合他社に流れない長期的に自社商品やサービスを利用してくれる顧客を獲得することができます。

また、熱狂的なファンは愛着を持つ企業や商品・サービスに関しての情報を積極的に発信するため、ファンがSNSなどで発信した情報を見て新規顧客が興味を持ち、商品・サービスを利用してくれるというメリットがあります。

しかしファンマーケティングは基本的に長期運営を行わないと効果が表れないものなので、効果が表れるまでトライ&エラーを繰り返すことが重要です。

ファンマーケティングを行ったことがない方は、「どうやってファンマーケティングを成功させればいいか分からない」と悩むと思うので、当記事ではファンマーケティングの成功事例を紹介しています。

ファンマーケティングの成功事例を参考に施策を立てて、より多くのファンを獲得してほしいと思います。

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